2015 アメリカ 映画
ネタバレしています!ご注意ください!
ジャケットが気になって見たいと思ってた映画です。
ドラマばかり見てると映画を1本、2時間見るのが長く感じて
なかなか手を出せずにいましたが、
ドラマより1話で綺麗に完結してくれて、映画もいいな、と。
バランスとタイミング、ですね。何事も。
肝心の映画の内容は、というと、
舞台はL.A.。定職につけず、盗みなどで暮らしているルーは、
ある日事故の現場に出くわし、
悲惨な現場を撮影するカメラマンという職業の存在を知ります。
何かがピンときた?彼は早速カメラマンの技を盗みとり、
カメラと無線傍受機を調達してカメラマンになり、
より凄惨な映像を求めて走り回るようになっていき・・・
ルーという男のお話しです。
とにかく身の毛のよだつ男です。
どこかで、視聴前にこの映画の感想を見ましたが、
ルーがどんどん狂気じみていく、という風に書かれていて、
あぁ、そんな感じで狂っていくお話しなのね、と思ってましたが、
完全に違う。
ルーは最初から狂ってます。
狂った男が天職に出会い、水を得た魚のように成長する中で
どんどん怖い部分が露わになるだけで。
人間性は一貫していると思います。
凶暴な野生動物みたいな感じで、
ひたすら獲物を狙い、そして集団の高みを目指して狡猾な駆け引きもできる。
ハイエナなイメージですかね。
手段を選ばず、善悪というより自分の利益を求めるやりかた、
同業者や同僚でさえ見殺しにして餌にするさまは
本当に恐ろしいけれど、
そのエネルギーや巧みさはちょっとうらやましくもあり。
見習いたい部分もありました。
・・・こんな風に感じるなんて私もイカレた人間なんだと実感しているところです・・・。
ルーが追う事故・事件の現場は目をそむけたくなる場面ばかりだけど、
TVのアナウンサーの「これからお見せする映像はショッキングなシーンが含まれています。
見るかどうか慎重にご判断下さい」の前置きが、
放送する側、見る側の免罪符となって、
そして実際、ショッキングな映像に人は群がるわけで。
ルーはとてもおぞましい人間として描かれているけれど、
顔をしかめつつもそれを見る人間がいるから存在し躍進するわけで。
実は、良い画で数字がとれたよ!なんてほくほく顔のアナウンサーだって
善悪なんかとっくに忘れ去っていて狂気のかたまりじゃないか、ともとれる。
ただの助手だった青年も狡猾さを得て自分の価値を主張しはじめていく。
人間の暗い闇を描いていて、しかもスピード感もあり。
見応えのある映画でした。
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