ボーダーライン

上映日:2016年04月09日製作国:アメリカ上映時間:121分


原題「Sicario」はスペイン語で殺し屋だそうで。

法を守るか、悪人を殲滅するか。

葛藤し悩む意味での邦題、ボーダーライン、

だと思いますが、それより断然「殺し屋」なお話。

FBIの誘拐犯捜査官ケイト。

勇敢で実力も情熱もある彼女。

誘拐捜査中に爆破に巻き込まれるが、

一連の事件の黒幕である

メキシコの麻薬カルテルのボスの捜査チームに

加わることに。

有能さゆえに抜擢されたかと思いきや、

行ってみれば作戦の蚊帳の外。

作戦の全容を知らされることもなく、

次々と違法な手段をとるチームに

怒り戸惑う。

彼女の正義感はもっともだし、

それで解決するならそれは素晴らしい世界な

わけだけど、

綺麗事で解決することなど何もなく。

本来なら地道な検挙を重ねるところも

敵の陽動に過ぎず。

ケイトは不満を溜める。

結局アメリカ政府は

麻薬取り引きを無くすことなど

不可能だから、

支配してコントロールしたいのが本音で。

チームの主要メンバーだが、

所属も出自もあやしいアレハンドロを

警戒する彼女だけど、

作戦は彼の復讐心を利用するもので。

政府は復讐を利用してボスをつぶし、

アレハンドロは復讐と報酬を得る。

その作戦にFBIの同行者が必要だったから。

ただそれだけの存在だったケイト。

本音と建前の狭間で葛藤するケイト。

でも彼女も観客も、

綺麗事でどうにかなる相手ではないと、

現実の敵の怖さを突きつけられる。

結局行われているのは戦争で。

犠牲になるのは市民で。

カルテルの残虐な殺戮も

アレハンドロの徹底的な復讐も

結局やればやられる、

やらなければやられる、負の連鎖でしかない。

法律なんて関係のないパワーゲーム。

あれがメキシコのカルテルと

アメリカの移民問題の現実の一端なのだとしたら

怖すぎる。

麻薬カルテルってほんとに恐ろしすぎる。



Duka’s

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