2021 アメリカ 映画
!ネタバレしています!ご注意下さい!
内気で真面目、学校で目立たない存在のビビアン。
アジア系移民の親友クラウディアと地味に堅実に学生生活を送っています。
転校生のルーシーは自分の意見を持ち、行動し、嫌がらせにも屈しない強いキャラ。
そんなルーシーの存在や、ビビアンの母親が学生時代にしていたフェミニズム運動、
母親の持っていたパンクミュージックに触発され、
学内の女子格付けに嫌気がさして、
勢いでモキシーというフェミニズムパンフを作成して学校に置いてみます。
ハラスメントや性差別に不満を持つ女子達に支持されてムーブメントとなるモキシー。
賛同者が増え、学内の推薦投票などにも関わるように。
ビビアンが匿名で続けていたものの、学校から問題視され、首謀者探しが始まり、
かばったクラウディアが停学に。
戸惑いどうしたら良いか分からず、
彼氏のセス、母親、母親の彼氏に当たり散らし、どん底に。
そんな時に匿名のレイプ被害者から手紙を受け取り、
殻を破る恐怖より怒りを爆発させたビビアンは
学校へ直接抗議行動を始めます。
スプレーで落書き、授業ボイコットを先導。
そしてついに自分がモキシーを作ったと名乗り出て、
賛同する仲間やクラウディアとの結束を深め、
これからが楽しみなモキシームーブメント…
みたいなエンディングでした。
フェミニズム運動、今流行りの、というかなんというか、
それ自体は第4次、くらいかもしれないけど、
LGBTや人種差別と併せて大きなムーブメントですよね。
若い子が見たら勇気をもらえる入口の教科書的な映画でした。
しかしなんかモヤモヤが。
女の型にはめてくれるな、といいながら、
フットボールの花形選手ミッチェルは顔がいいだけの嫌なイジメっ子だし、
その腰巾着の黒人は馬鹿なお調子者。
チアリーダーのセンターはブロンドの美人。
アジア系のクラウディアは母親も厳しく、
大きく成長するビビアンとは違って控えめ。アジア系は自己主張しないまま。
すごくテンプレ通りだし、
レイプ被害の告白、アジア系の立場の訴え、
さらっと問題提起はされているけどそれだけ。
確かにテンプレ使わないと映画にならないけど、
そういうものを取り払うのがモキシーの主旨なのでは、とも。
その辺はほったらかしだし、
結局自分の不遇にしか興味がないし、声の大きい者の主張が通る。
女性の地位は向上しても、立場が変わっただけで力ある者が支配する構造のまま。
最後の盛り上がりのシーンで女の子がフットボールのマスコット役をこけさせたの私!
とか告白して盛り上がるんだけど、最大に違和感を感じた。
意見の合わない嫌なやつなら怪我させてもいいの?
ミッチェルの主張が信憑性でちゃうけど。
これはイジメだ、次の標的が出る、って、まさに。
ミッチェルの行為は最低だし当然罪に問われるべきだけど、
その暴力も罪に問うべき。
テーマがテーマだけに、色々グダグダ書いたけど、
起承転結まとまりはあるストーリー。
でもなんか間延びしていてすごく長く感じた。
特にテンポが悪いわけでもないのに。ほんとに長かった…
葬儀場デートとか、投票結果前の彼氏とのやり取りとか、
好きな描き方だし、
劇中に出てきたlinda lindas 最高のガールズバンドだった。
多分ブルーハーツのリンダリンダからだと思う。
日本人かな?めちゃくちゃ可愛かった。
結局感想は、自己主張が大事。不満を抱えてくすぶるな、行動しろ、ってメッセージは伝わりました。
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