2021 アメリカ 映画
!ネタバレしています!ご注意下さい!
米軍のドローン操縦士ハープ。
米露の代理紛争地帯のウクライナの戦場で、
米軍兵士2名が負傷し動けなくなっているにもかかわらず、
現場に近づく不審車両を撃破するために命令に背いて爆撃。
2名を犠牲にして30数名の兵士を守ったと本人は悪びれず、
しかし命令違反でウクライナ派兵の処罰をうける。
彼にとって初の戦地派兵。
上官は変わり者のリオ大尉。
極秘任務としてテロ集団が核発射コードを手にいれるのを阻止すべく、
情報収集している。人間にしか見えないけど、実はAI。
服を脱いだら全身が透明で・・・配線などが見えますが、
メカニックというよりはアバターみたいな感じ。
青光りしていたり、皮膚色に戻ったり、美しいCG。
完全にAIなリオですが、ハープの上官として
厳しくユーモアもあり、感情まで豊か。
ワクチンを難民キャンプに届けるミッションは口実で、
情報提供者に接触しテロリスト情報を聞き出します。
その道中、襲撃にあったり、狙撃されたり。
その度に緊迫の攻防があるのですが、リオは時に人間の感情にうったえ、
時に超人的能力(まぁ人ではないから当然超人なんですが)で
乗り越えていきます。
実戦経験ゼロのお荷物状態のハープなんか連れずに
1人で任務遂行した方が圧倒的に楽なのに、
そこはAIゆえの矛盾があって。
リオは上官だけど、AIだから人間としてのハープの命令には逆らえない・・・
でも道中でハープはリオが違法武器を購入するのを黙認したり、
テロリストの追跡を逃れるためとウソをつかれて背中から装置を取り外したりしてしまい、
リオのプログラム上、任務違反の隊員という扱いになり、
”その命令に従わなくてもよい人間”として命令を無視できて。
なんというねじれ構造・・・
リオは結果のためなら命令違反をする、
というハープのそもそもの性格を見込んだ?上で部下に指名したわけです。
リオはテロリストをバタバタなぎ倒しながら、
でも実はテロリストと核発射コードを手に入れる密約も結んでいて。
ウクライナで繰り広げられる紛争をアメリカ本土への攻撃に置き換えて、
紛争を終結させる。米国民は100万人亡くなるけど1億人救われる・・・、
そこの理屈がいまいち理解できなかったけど、
そのために大義をもって自ら核のボタンを起動させます。
で、結局、リオは、自分のようなAIは本当に危険だから、
その危険性を証明するとともに、核弾頭も自分も、
リオのようなAIを生み出す計画そのものすら、もろとも無きものにするために
あえて暴走したような。
そしてリオの思惑通り、リオは核弾頭を起動させもろとも爆撃され消滅するわけです。
こんな話だったかなー。多分。
最初は戦場を遠隔でしか知らないから、
画面上の人の命を命と認識していなかったハープですが、
戦地で実際に銃撃にあい、自らの命の危険がある状況で、
仲間や民間人を少しでも救出しようと行動したり、まぁ成長が見られますが、
彼がなぜあんな無防備で生き残るのか不思議。
あとはよくありがちな戦場の難民キャンプとか、孤児たちの描写とか・・・。
そこの女性リーダーが実は市民軍のリーダーだったりとか。
なんか色々小ネタみたいに戦地あるあるがでてきますが、
どれも新鮮さはなく。
AIだからめちゃくちゃ機敏でかっこいいアクションを繰り広げるリオが、
その強さゆえに葛藤をかかえ、
感情のないAIが人類を守るために自らが攻撃されるよう、
AIが暴走したかのようなその状態で死を選ぶ切なさ、
みたいなところで共感を得たいのか、
争い、紛争、戦争、全て愚かなことで、
結局その被害者は未来を担う子供達だと言いたいのか、
もう何を一番いいたいんだか分からない映画。
CGすごいし面白くなりそうなのにな・・・
なんかよく分からない戦場映画でした。
ハープが遠隔で人の生死を見つめるその姿は、
テレビ画面で戦争ニュースを見る市民のそれと一緒、という投げかけか。
そして行動することで人は変われるというメッセージか。
・・・そこまで読み取ったら深読みしすぎかな。
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