2017 Netflixオリジナルドラマ イギリス
ネタバレしています!ご注意ください!
サイコパスを自認するジェームスと、
何もかもになげやりになっているアリッサ。
自分でも理解できない複雑な感情を抱えた17歳の2人が学校で出会い、
現実逃避の家出をする、
退廃的なロードムービーです。
ストーリーを文字にすると、ほとんど内容がないんですが、
セリフになって明確に表現されているわけでもいないのに、
若い2人の悩み苦しみ葛藤する様がとてもリアルに伝わってくるドラマでした。
俳優、脚本、映像が秀逸だからこそ、
静かな間に感情が表現されるというか。
ジェームスが自分や動物を痛めつけることによって
確認しようとしていた自分の心や体の痛みに、
アリッサと心を通わせることによって初めて気付けていく、
それまで押し殺していた彼の痛みの深さや、
そこに触れられなかった彼の父の苦悩を思うと
いたたまれません。
ジェームスまでではないものの、
家族の問題を抱えたアリッサと、
一見無関心に見えた彼女の母の想いも垣間見え、
新たな家族の形・生活のなかで蔑ろにされたアリッサの心の傷が、
この一連の事件を契機に、
これから母親が彼女に寄り添う中で改善されたらと願います。
これからダラダラと逃避行が続くのかと思いきや、
自分の心の傷に初めて正面から向き合ったジェームスの
悲しい決断に、子供の心の脆さが表現されていたのかな。
大人なら、あの結末は選ばないだろうから。
たぶん続編はないけれど、
アリッサが彼の想いを受け止めて
しっかりとした大人の女性になってくれたらいいな。
と、ドラマなのに感慨深かったです。
イギリスのドラマって、内面を描くのがとてもうまくて、
登場人物みんな暗いというか、影がある気が。
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