2020 アメリカ Amazonドラマ
!ネタバレしています!ご注意下さい!
非常に静かなドラマです。
「ループ」という謎の施設のある町に住む人々の物語。
「ループ」・・・科学者が作り出したものなのか、自然現象か、宇宙からきたものなのか、
そのへんは謎のままですがあまり重要ではなくて。
恐らく宇宙か自然物かのエネルギーを元に
科学者がそれを利用すべく作った施設がループかと。
核施設に似たイメージかな。
人の手に余る産物というか。
意匠が北欧ぽいので北欧のドラマかと思いきや、アメリカでした。
セピアがかった色味やファッションなんかを見てると60年代風ですが、
遠い未来か別の次元のお話しといった感じです。
基本的にループを創設した科学者のおじいさんとその息子一家が軸で、
毎話主役が変わって不思議なことが起こりますが、
謎の解明とか解決とか、そういうものを求めるお話しではなく、
現実の受け止め方、自分の心との向き合い方について描かれています。
人の老いと死みたいな普遍的なものがテーマだったりもします。
けっこう大変なことが起こっているけど、
基本的に皆静かに穏やかに受け入れます。
穏やかすぎる場面もあるけど、確かにそういう対応の仕方がリアルなのかも。
映画やドラマだと泣き喚いたり不自然に説明的だったりするけど、
そのあたりは見事な構成と脚本と描写。
謎は謎のまま、でもそれに翻弄される人の心理描写はとても細やかです。
おじいさんの孫のコールが可愛くて、その兄のジェイコブが不憫で。
オムニバス的なこのストーリーの軸として、
謎の装置で友人のダニーと魂が入れ替わってしまったジェイコブが、
元に戻るのをダニーに拒まれたことでロボットの中に取り込まれてしまって、
それを知ったコールが解決しようとするもロボットが壊れてしまい、
ジェイコブの魂も亡くなってしまう。
その帰り道に不思議な小川を渡ったことでコールは30年ほど未来に飛んでしまう。
そこには祖母も父の姿もなく、年老いた母だけ。
ジェイコブの体のまま年をとったダニーはいますが。
ジェイコブの母親はループの科学者ですが、
なぜダニーを許せるのやら・・・
ジェイコブはダニーに殺されたようなもんでしょ・・・。
でも不思議で穏やかな物語にそういう怒りをぶつけるのは間違いかも。
空を見上げて風を感じたくなる、
そんな壮大なドラマでした。
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