2019 アメリカ ドラマ
!ネタバレしています!ご注意下さい!
1970年代、冷戦中に米露が行っていた人間兵器実験を題材にした物語。
ジェイソンボーンの物語をヒントにしているそうで。
1970年代にロシアの捕虜となったCIA工作員が人体実験を受けて人間兵器にされていくお話しと、
現代のアメリカ、ロシア、北朝鮮、欧州、アフリカで繰り広げられる核弾頭取引とそれの阻止、それに関わるロシア旧KGB、アメリカのCIA、人間兵器ミッション”トレッドストーン”の現在、
色々な場所で色々な立場の人間のやり取りが時代と場所を交錯して描かれます。
軸となって面白かったのは、
1970年代のKGBのぺトラとCIAのジョンの関係。
ジョンはKGBに拘束されぺトラや上司の博士に捕虜の被験者として洗脳を受け、
一時は記憶も自我も失い完全に操られてCIAの仲間を容赦なく殺害するまでに。
なんとか脱出しアメリカに帰国するものの、
CIAからは逆スパイとして返されたのではと疑われ、
その身の潔白を証明するためにブダペストのKGB拠点に舞い戻り、
またぺトラや博士、KGBと対峙します。
ぺトラとは洗脳が解けた後も恋愛関係になり、
奇妙な共闘体制となるわけですが、
どうにも読めないぺトラの本心。欺いてる感がぬぐえません。
結局、施設に囚われているCIAの仲間を救出し、博士を射殺するのですが、
その直前に博士の不穏な一言・・・
「この施設に舞い戻り、そして自分が殺されることも計画の内」だと・・・
もうジョンの何が自分の意思で、何が操られた行動なのか、
全くもって全てが謎のまま。
ぺトラは40年後の現在の姿で登場しますが、
ジョンはエンディングで存在がほのめかされただけなので、
その後40年間で何があったかすごーく気になります。
他のストーリーは、世界各地で現在も秘密裡に進められている
トレッドストーン作戦の被験者たち(通称セミ)が何者かによって覚醒され、
本人の意思と関係なく各地で暗殺指令を実行させられてしまい。
しかもそれぞれ自分の今までの記憶は作られ植え付けられたもので、
自分が何者なのか自覚がなく。でも能力は超人的で、ギャップに苦しみます。
まぁ北朝鮮とかアメリカとかいろんなところでそんな人たちがいて、
それをCIAの偉い人が管理していて、ボタンひとつで暗殺を指示できてしまう。
倫理的にどうか、と問う声にはこれは戦争なのだと。
まぁ実際にロシア・中国・北朝鮮がらみではあり得そうな。
アメリカだってやってるだろうなっていう。
あそこまですごい人間兵器ではないだろうけど工作員なんてゴロゴロいるだろうし。
4話目くらいまでは丁寧に描かれていたと思いますが、
5話くらいから急速にディテールが崩壊して、
視聴者は置いてきぼりです。
めちゃくちゃ独りよがりな展開が繰り広げられて怒りを感じるレベルです。
他のセミになりすますことの簡単さとか、
指紋・声紋・虹彩とか生体認証するでしょ普通。
スマホの顔認証一回でOKとかおそまつすぎる。
あと奥さん、数年前のただの看護師だったのに他のセミの現在まで知りすぎ。
あとジャーナリストのタラ。このタラの覚醒の不自然さ・・・
今までの人は意識失ったり記憶飛んだり完全にマシーン化してたのに、
最初からキーマンとして登場していて一番メインのサプライズのはずの
タラが実はセミだったってとこ、
スマホの着信1件で覚醒してしかも一瞬で冷静に自分の状況把握して、
姉は生きてるかも・・・とか言い出したりして。
ぺトラから武器調達するとかなんなのこの展開。
いや劇的に覚醒させるなら、3人で拘束されそうになった時とかのタイミングでしょ!
あそこで覚醒して親友を救ってほしかったわ。
北朝鮮のセミの彼女も、まー自由に北朝鮮出たり入ったり。
最初の脱出は命がけだったのにその後は気付いたら出入りしてて。
普通旦那と子供人質にとられてたら安易にアメリカ大使館とか行かないでしょ絶対に。
いやそもそも盗聴の後乗り込まないでしょ。
ただ派手なドレス着せてアクションやらせたかったとしか思えない。
ほんとにありえないグダグダ展開になりまして、
結局現在もトレッドストーン計画で平和に見えるこの世界は
常時戦時中であった、という展開なわけですが。
戦争というよりは、CIAの極秘作戦が、
国益関係なく一部の議員・企業の私欲のために使われているということだった気がしますが。
この物語、ジョンとぺトラの空白の40年間だけが気になりますが、
シーズン1で打ち切りだそうで。
まぁこれだけとっちらかってグダグダだからしょうがないよね。
4話までは★★★★だったけど、
急速に駄作化して★★かな。
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